お遍路の心得
遍路とは、四国の八十八か所を巡ることで、四国全体を巡礼する行為です。八十八の寺院はどれも長い歴史を持ち、弘法大師(お大師さま)との深い関係が伝えられています。お大師さまは、四国で修行を積み、自己の生き方を見つめ直し、理想を追い求めながら、多くの人々にその教えを広めることを祈り、苦しみを耐え抜きました。お大師さまの教えには、国家の平安と人々の幸せを願い、すべての人が繁栄することが理想とされています。そして、私たち一人一人が自分の持つ能力や才能を最大限に活かし、努力し続けることが求められています。お大師さまの足跡をたどり、その教えを実践することが遍路の目的です。
さらに、遍路は心の変化を促す旅とも言われています。特に深く考えることなく、ただ寺院を巡っていく中で、心の変革が自然と進んでいくとも言われています。難しい経典の理解や厳しい修行は求められませんが、霊場を巡る行為自体が現世を離れ、聖なる場所での修行と感じられることもあります。そのため、事前に心構えや行動の意義を理解しておくことが、遍路の体験をより深いものにします。古くから、遍路では「祈り」の大切さが伝えられています。本尊さまとお大師さまに心からの祈りを捧げましょう。